放任的風景写真講座


wakkyとまなぶ、放任的風景写真講座


一眼レフカメラを買ってきて、はじめて箱をあけた位のレベルの人にむけた、風景写真を
やってみたい、という人に対する指南です。

僕はあれもこれも教えようと思っていません。写真は右脳の作業なので、やっぱり「やっ
てみる」中でまなぶことが多いと思いますし、試行錯誤することも大事なことだと思いま
す。ただ、何も知らない中で、写真道の大海に投げ出されてしまったら、溺れてしまいま
す。そこで、最低限、このくらいのことは知っておいた方がいいかな、ということを、適
当に書いてみようと思います。

ただ、僕自身そんなに写真がうまいわけではないですし、むしろ、数年前には初心者組だっ
たわけで、どこまで役に立つことが書けるかは疑問ではありますが。


内容的には、「風景写真」と銘打った本1冊分を若干要約したくらいのボリュームで考え
ています。なるべく左脳から覚えるようなことはしないで、もっとフィールドに出て撮影
に注力しようよ、というのが僕の考えです。その方が、たぶん楽しいしね。



もくじ

1.そうび
2.ふくそう
3.三脚のえらびかた
4.カメラの構え方を覚えよう
5.風景写真はとくに、その場にいないと撮れないジャンル
6.写真の9割は構図。
7.もっと構図を考えよう
8.光の具合を読もう
9.色を活用しよう
10.Avモードを使ってみよう
11.感度について(1)
12.シャッター速度について
13.ホワイトバランスについて
14.露出補正について
15.段階露出を活用しよう
16.ラチチュードを利用して印象的な写真を
17.MFの使い方を知っておこう
18.レンズについてもいちおう知っておこう




1.そうび


 風景写真をはじめるにあたって、できれば揃えたいもの

 ●ぜったいひつよう
 ◎できればあった方がいい
 ○あるとべんり

 だいぶいろいろ書きましたが、ウヘェこんなに必要なのか、と思わずに、順を追って
 揃えていけばいいと思います。

 ●カメラ
   まあ、これがないとはじまらないです。本格的にはじめるのであれば、デジタル
   一眼レフカメラがおすすめです。

 ●レンズ
   とりあえず、標準ズームが1本あればたいていのことはこなせますが、ダブルズー
   ムキットも選べるようであれば、ダブルズームキットを選んでおくのが無難。
   足場の限られる風景写真ではズームレンズが格段に便利なので、とりあえず単焦点
   レンズに手を出すのはあとまわしにした方がいい。

 ●メモリーカード
   実際に使用するものが1枚と、できれば予備が1枚。予備があると、カメラに入れ
   忘れて出動したなんていうときにも撮影が継続できるほか、予想外に撮影枚数が増
   えてしまったときや、メインのカードにトラブルが出たときも撮影を継続すること
   ができる。

 ●お手入れ用品
   屋外で活動するので、カメラも汚れやすい。出先で汚れてしまうことを想定して、
   お手入れ用品は持参したい

   ・クリーニングクロス
   ・レンズクリーニング液・クリーニングティシュ
   ・ブロア ブロアは撮像素子の清掃にも使えるある程度大きいものを用意した方がよい

 ◎フード
   今時のキットレンズにはフードがついてこないのが普通ですが、風景写真の場合、
   フードは別途購入することをおすすめします。2千円か3千円前後で購入できると
   思います。逆光下でゴーストが出るのを防ぎます

 ◎三脚とケーブルスイッチ
   風景写真の場合、三脚は「必須」に近い装備です。カメラの次くらいに重要です。
   朝夕の撮影、水の流れなどのスローシャッターを撮るときはもちろん、絞りを絞った
   撮影であるとか、あとじっくりと構図を決めるのにも三脚は強い武器になります。

   ケーブルスイッチは、カメラに手を触れずにシャッターを切るための道具です。三脚
   にカメラを固定しても、カメラに触れてしまってはカメラが動いてブレてしまうので、
   ケーブルスイッチを利用して撮影します。
   ケーブルスイッチを持っていない場合は、緊急的にセルフタイマーを使用するとぶれ
   ずにシャッターを切ることができます。

 ○ストーンバッグ
   三脚にとりつけて、安定度を増すためのアイテム。

 フィルタ

   ◎レンズを保護するフィルタ(保護フィルタ)
     屋外で活動するので、レンズに傷が入る可能性は屋内で使うよりも格段に増
     えます。レンズのサイズに合わせて購入します

   ○C-PLフィルタ
     空の色を鮮やかにしたり、するフィルタ。使い方はだいぶむずかしいのでまた
     別に項目を設けます

   ○NDフィルタ
     減光するフィルタ。水の流れなどを撮るときに使用する

   ○クローズアップレンズ
     花などをアップで撮るためのフィルタ。ゆくゆくはマクロレンズが欲しいけれ
     ど、本格的に花というよりは風景重視、という場合とりあえずはクローズアッ
     プレンズがあればそこそこ撮れる。

   ○フィルタレンチ
     フィルタが外れなくなったときに外すためのもの。まあでも、僕は実際に必要
     になったことは今のところないです。

 ○カメラレインコート

   雨天での撮影の場合必須です。あじさいなど、雨の似合う被写体もありますので、
   雨の日も撮影する人は1つ持っておくといいでしょう。2千円くらいで購入できる
   と思います。

 ○水準器

   とくに日の出前日没後の暗いときに、カメラの水平を出すのに水準器があると便利
   です。

 ○ヘッドライト

   日の出前日没後に行動する場合あかりが必要です。両手があくヘッドライトが便利
   です。予備の電池も持っておきたいところです。

 ○メモ帳、筆記用具
   
 ○タオル

 ○飲み物、おやつ

 ○本、iPodやWalkmanの類

   風景写真には時間待ちがつきもの。うまく時間待ちができるように本などのアイテム
   をしのばせておくとよい。

 ○雨具
   人間用の雨具。フィールドの深いところにわけいるときは、雨具があった方が安心だ。

 ◎上記の装備が入るカメラバッグ
  カメラ1台レンズ1本+小物が若干、くらいのときはありものでなんとかまにあうが、交
  換レンズや小物が増えてきたら手に入れたい。


2.ふくそう

  服装はだいじです。アウトドアでの活動になるわけですので、動きやすい恰好がいちばん
  です。それから、じべたに座ったり寝転がったりもしますので、汚れてもかまわない服。
  冬場はとくに防寒にも配慮したく、下着をしっかりします。
  

  とくに重要なのは靴で、場所にもよりますが最低限スニーカー。不整地へわけ入ったり、
  長時間歩くような場合はトレッキングシューズを選びたいところです。水源などへ入る
  場合はさらにカットの高い防水の靴である必要があります。

  カメラバッグは軽量なものを選びます。アルミケースなどは重量があるのであまりフィー
  ルド向きではなく、キャンバス地のものがおすすめと思います。フィールドで撮影する場
  合、カメラバッグは、両手が使えるようになるザックタイプが便利。
  カメラ機材のほかに飲み物食べ物などが入ることもありますし、機材も写歴とともに増え
  るのが普通ですので購入する際には容量はすこし余裕をみて。

  ザックタイプのカメラバッグは、背中からおろさないと機材が取り出せません。小物の類
  はベストやウエストポーチなどを併用して、機動力を確保すると素早い撮影が可能になり
  ます。
  肩掛けタイプのカメラバッグは、おろさずに機材が取り出せるので機動力は確保できます
  が、アウトドアでは歩行に支障がでますし、長時間担ぐには向いていません。車の周辺で
  あまり移動せずに撮影するような場合に選択すると良いでしょう。


  <レンズ交換はカメラを下向きで>

  撮像素子になるべくほこりがつかないように、レンズ交換はカメラを下向きにして行うの
  がベターです。電源を切って、カメラは下向きにした状態で交換します。カメラはストラッ
  プを首にかけた状態にしておくのがいいでしょう。

  なお、手を滑らせてもなるべくダメージが少ないところでレンズ交換をするのがおすすめ
  です。できれば、手を滑らせるともうレンズが回収できないがけっぷちです、なんて場所
  ではレンズ交換しないことをおすすめします。


3.三脚のえらびかた

   風景写真のばあい、ある程度がっしりした中型の三脚が必要です。予算的には1万円
   くらいは最低でも必要です。数千円のものも売られていますが、臨時的なものと考え
   た方がいいです。
   僕の手元の三脚でいちばん古いのは、写歴とほとんど同じ、10年以上使用していま
   す。非常に長期にわたって使用するものですから、多少予算は多めに見て、慎重に選
   びたいところです。

   一昔前は、カメラ+レンズの重さ=三脚の重さ、というのが目安でしたが、最近は軽
   量のカーボン三脚が出回っているので、この目安もあまりあてにならなくなりました。
   
   風景写真の三脚は、ローアングルが出せるものが必須と思います。とくに花なんかを
   撮る人はローアングルが出せない三脚はどうしようもありません。
   また、風景写真の場合、自分の手で持ち歩くわけですから、できれば軽いものがベター
   です。かといって軽すぎる三脚ではぶれてしまいますので痛し痒しなわけです。

   また、高さは、だいたいカメラをとりつけて、エレベーターを軽く伸ばした状態で目
   の高さ(アイレベル)が出せる位の大きさが良いとされています。

   ふつうのデジタル一眼レフで、キットの標準ズームと望遠ズームくらいの装備でした
   ら、イチオシはCarmagne N6425
      http://www.velbon.com/jp/catalog/carmagne/carmagnen6425.html
      あたりで、このくらいのサイズを目安に選ばれるといいでしょう。
   登山で、もうすこし軽いものがいい、という場合は、N5325
   http://www.velbon.com/jp/catalog/carmagne/carmagnen5325.html
   がいいと思います。
     4段と3段では、3段のほうが若干軽く、いちばん下の足が太いため安定しますが、
   縮長がながくなるので、ザックに横向きにつけると3段では邪魔になります。
   主に車で移動して周辺で撮影するようなスタイルの人は、3段を選ばれるといいと思
   います。自分の足でフィールドへわけいる人は、4段の方がベターだと思います。

   なお、注意してほしいのは、移動するときに、三脚にカメラをつけたまま、三脚のほ
   うを持って移動しないこと。三脚からカメラが外れて悲惨な目にあった人は少なくあ
   りません。三脚につけたまま移動するときは、脚は縮めて、カメラのストラップを必
   ず首にかけておくようにします。
   横着な人は、クイックリリースというワンタッチで三脚からカメラを取り外せる装置
   も別途購入することをおすすめします。

   <風景派の人は三脚にもストラップを>

   移動の時は両手をあけておくのがベストです。ですが、三脚バッグだと出し入れが面
   倒です。出し入れが面倒だと結局横着をして使わなくなります。三脚にストラップを
   つけておいて、肩がけするようにするといいでしょう

4.カメラの構え方を覚えよう

   カメラの構え方がまずイロハのイ。どんな教本を選んだとしてもカメラの構え方は書
   いてあると思いますが、バカにせずにきちんとできるようにしたい。

   右手でグリップを握り、人差し指をシャッターボタンにそえます。左手はてのひらで
   ボディをささえ、親指と人差し指はレンズのピントリングにそえます。両脇を締め、
   額と鼻でカメラを支えます。足は軽くひらいて、前後に出すと安定します。
   通常ファインダは右目でのぞきます。
   シャッターボタンを押すときは、軽く息をとめて、そっと押すといいそうです。

   *ミラーレス一眼の場合も、わきはしめてホールドする

   ミラーレスやコンデジの場合液晶を見ながら撮影することになるのでホールドが甘く
   なりがちです。とくにわきをしめてホールドするよう注意します。

   *縦位置の場合は、シャッターボタンを下にした方が脇が締まる

   と僕は思います。シャッターボタンを上にする人もいますので、自分の好みの方で慣
   れるといいでしょう。縦位置グリップという装置もありますが、風景の場合縦位置グ
   リップの必要性は低いと思います。

   *しっかりホールドしてもブレそうな場合

   三脚を使うのがベストですが、三脚を使えない場合、

   腕までの関節の数を減らします。片ひざをつく程度ですと気休めですけど、ひじがつ
   ければシャッター速度で2段近く稼ぐ(後述)ことができます。
   ほかに、体をささえるものはないでしょうか。立ち木であるとか、柵、手すりといっ
   たものに体を預けられたり、もしくはカメラをのせられたりすれば、相当シャッター
   速度を稼ぐ(後述)ことができます。

   <風景写真は若干コントラスト強めの方が好まれると思う>

   と僕は思います。色合いやコントラストが調整できるカメラの場合は、風景向けの調
   整をしてみるのがいいでしょう。

5.風景写真はとくに、その場にいないと撮れないジャンル

   どんな写真もそうですけど、風景写真はとくに、その場にいなければ撮影できない
   ジャンルです。その場にいさえすれば、素人でもそこそこのものが撮れる。だけど、
   その場にいなければプロでも写真は撮れない。まず、このことを肝に命じて、足繁
   くでかけることです。

   *風景写真は朝駆け

   風景写真というのは、朝夕の光の具合がいいときが勝負どき。なので、朝、日の出
   る前に出張るのが基本になります。この時間を大事にできないと、風景写真でいい
   のを撮るのは難しいと考えてください。

   *日の出を撮るなら遅くとも1時間前には現地入りしたい

   日の出前のグラデーションから写真ははじまり。日の出直前にいくと、この時間を
   逃してしまうことになる。1時間くらい前には到着して、手際よく準備して、撮影
   開始して、ぎりぎりくらいだと考えたい。
   日の出の時刻や方角は、カシミール3Dなどのソフトで簡単に調べることができる。
   http://www.kashmir3d.com

   *季節もよく考えたい

   風景写真に季節は重要です。たとえば紅葉を撮りたいとなると、旬の1週間くらい
   を逃したらまた来年。梅、桜、新緑、と、旬の被写体を撮り逃さないようにした
   い。そのためには、ある程度計画を立てておかないといけないだろう。また、紅葉
   の進み具合などの状況を仕入れて、臨機応変に行動することも必要だろうと思います。

   *空振りをおそれてはいけない

   風景写真は日によって状況が変わります。ときには空振りをすることもありますが、
   それをおそれてはいけない。もう、空振りは仕方ないのです。空振りしてもなんと
   か別の方法(温泉とか)で楽しむことを考えたい。また、狙っていた被写体がダメ
   でも、臨機応変に別の被写体を狙えるようになると、またヒットの率が高くなると
   思います。

   *撮影スポット情報も仕入れよう

   風景写真は、撮影スポットというものがあります。はじめのうちはなかなかどこで
   写真を撮ったらいいかわかりづらいと思いますので、撮影スポットの情報も交換す
   るといいでしょう。
   そして、自分で気に入ったスポットをみつけたら、季節を変え時間を変えて通って
   みるのがいいです。同じ場所同じテーマで撮りためていくのもまたいいと思います。

   <傑作のプリントを持っていると話がはずむ>

   写真撮影は基本的に孤独との戦いですが、たまたま同じ場所で時間待ちになったよ
   うな場合、プリントがあると話がはずむと思います。何枚かカメラバッグに忍ばせ
   ておくのもおもしろいでしょう

6.写真の9割は構図。

 まずはカメラの用語のことは気にせずに、オートにセットしたままいろいろ撮ってみたい。
 写真は、無限にある空間から一部を切り取って映像にする作業。この、「どこをどう切り
 取るか」(フレーミング=構図を決める作業)が、写真では一番重要になります。なので、
 まず、難しいところはカメラ任せにして、フレーミングのスキルをアップしたい。

 構図については、それだけで1冊の本ができあがる位奥が深いので、ここでは簡単に触れ
 ておきたいと思います。

 *なにが主役か考えながら撮影しよう

 画面の中で、これを見せたいんだ、というもの(主役)をまず考えます。通常は、この主
 役を画面の中にいちばん大きくとりこむことになります。この主役をうまくひきたててあ
 げることを考えながら撮ると良いと思います。何が主役かわかりづらい写真はどうしても
 散漫になってしまうと思います。

 *手持ちを基本にしよう

  風景からはじめて、風景一本という人には、構図が平凡な人がいます。三脚をとりだして、
 ポンと置くでしょ。いつも同じ高さ。だけど、本当にそれがいいかどうか。もっと高い位
 置から見下ろす構図がいいかもしれないし、もっと低い位置から見上げる構図がいいかも
 しれない。手持ちで慣らしていろいろな構図を経験した人は、おなじ三脚を使ってももっ
 と表情豊かに構図をつかいわけることができるようになります。なので、手持ちでああで
 もないこうでもない、ってやりながら、必要なときに三脚を使うスタイルにするといいと
 思うのです。

 *スナップもやってみよう

 風景写真の場合、たいていは遠方まででかけないといけないわけですが、そうなると必然
 的に機会も限られます。撮影機会を増やすという意味と、あと構図の勉強、という意味で
 近所でのスナップも並行してやってみるのがおすすめだと思います。
 とくに35mm単焦点を1本だけ持って撮影、を繰り返すと、35mmは見た目に近い画角な
 のでレンズでごまかしがききませんし、自分の足で構図を探す癖もつくと思います。

 *水平線の入る構図は、水平をきちんと出す

 写真は、水平を傾けると不安定になります。おもいきり傾けて不安定感、動感を出す手法
 もあるのですが、風景写真ではあまり使うことはないでしょう。まして中途半端に傾いて
 いたりすると写真としてはだいなしです。きちんと水平を出してあげましょう。
 水平を出す際には、水準器つきの三脚を使うと確実です。

  <でかける前にカメラの電源を入れてみる癖を>

  メモリカードの入れ忘れ防止、それから、電池の残量を確認します。予備のバッテリを
  持っていない人は、バッテリがチャージャーにくっついたままだと1枚も撮影できませ
  んからね!!くれぐれも、電池を忘れないように。

7.もっと構図を考えよう

 *まずは3:2の構図を覚えよう

 メインの被写体=主役を、画面のどの位置に配置するかを考えます。これはいろいろな
 パターンがあるので構図に関する本をできれば1冊見てもらいたいのですが、まずは画面
 の3:2の位置に配置するパターンを覚えてほしいとおもいます。
 真ん中にくる構図(日の丸構図)は力強いですがイマイチ平凡になりがちですが、3:2
 の構図だと画面に安定感が出ます。

 *画面のすみまで写真

 写真は、真ん中の主役だけが写真ではありません。バックのすみずみまでが写真なので、
 バックのすみずみまで気を配って仕上げるようにしたいものです。背景に余計なものが入っ
 ていないかどうか、よく確認してシャッターを押すといいです。逆に、えっこんなところ
 で写真が撮れるの?というような場所でも、背景の整理がうまいと結構ごまかされてしま
 う所もあります。背景のいいところを選んで、自分の足で構図を稼ぐようにしてください。

 *目線を引く方向を考えよう

 S字構図、三角形構図、対角線構図など、目線をひく構図では、どう目を引っ張るかを考
 えます。画面のすみからすみまで写真なので、画面をいっぱいに使えた方がいい写真にな
 る可能性は高いと考えていいでしょう。

 *カメラを縦にするか、横にするか考えよう

 カメラは横位置が基本になるので、横にかまえがちですが、風景写真の場合縦位置の方が
 似合う被写体もあります。
 一般に縦に長い物は縦位置が似合います。横に長い物は横位置が似合います。
 縦位置で撮ると奥行きが表現できます。横位置では広がりが表現できます。
 また、正方形にトリミングすると映える被写体というのもあるので、いろいろ考えてみる
 といいでしょう。

 *目線の高さが最善とは限らない

 目線の高さが最善とは限りません。ときにはカメラを頭上に手をあげて伸ばしたり(脚立
 を使う人もいます)地面にはいつくばったりして、いいアングルを探してあげるようにし
 ます。

 *奥行感を出そう

 メインの被写体を決めたら、その奥や手前に脇役を配してみると奥行感を出すことができ
 ると思います。奥行感、や、空気感、といったものは、風景写真の重要な表現手段だと思
 います。

 *天気の悪いとき

 どんより雲のときは、できるだけ空を入れないように構図を決めるといいと思います。こ
 ういったときは足元に被写体を求めるといいでしょう。

  <Exif情報を利用して勉強しよう>

  あとで自分の撮った写真を見返すときに、Exif情報がおおきなてがかりとなる。これを
  見ながら、あのときはこうすればよかった、と反省するわけです。この、失敗と反省を
  くりかえすことで、写真の技術もステップアップしていくと思います。

8.光の具合を読もう

 写真は光と影を写し取るものなので、光の方向を考えながら撮影するとまた1段ステッ
 プアップできると思います。
 おおまかに考えると、順光、斜光、逆光とある。被写体によってどれが向く、というの
 があって、山などは斜光が向いているとされています。順光は陰影が出にくく立体感に
 欠ける写真になりやすいと思います。逆光は印象的な写真になりやすいですが、露出の
 決め方がが難しく、オートではたいてい失敗してしまう、ということになりがちです。

 風景写真の場合、使う光は太陽の光、ということになります。明かりは1つで、しかも
 こいつは勝手に動いて自由にならない。同じ場所でも順光→逆光、と変わることがある
 わけだ。なので、この光源をうまく利用するため、時間待ちという作業が必要になる。

 朝夕では光の色も変わる。この色の変化を読むことも、写真にとっては重要だ。
 晴天の光と曇天の場合でもまた違いますので、いろいろ経験を積んで光を生かした作品
 に仕上げたい。晴天の日はカリッとした写真に、曇天の日はふんわりした写真にすると
 いいと思います。

 逆光ではフードを使いたいが、フードだけではゴーストを防ぎきれない場合、手や手元
 の帽子を画面の外にかざす(ハレ切り)といい場合があります。

 <寒冷地の撮影では>

 カメラが止まるほど寒いところでは、予備のバッテリを、カイロを入れたポケットであ
 たためて、交換しながら使うと良いそうです。
 カメラに霜がつかないよう十分注意しながら撮影してください。

9.色を活用しよう

 *色には暖色と寒色がある

 色には暖色と寒色があります。赤やだいだいなどは暖色で、こういった系統の色で画面
 を構成するとあたたかい感じに仕上がります。逆に青や紫などは寒色で、冷たい感じに
 仕上がります。こういった「色の効果」を使ってあげると写真がよりひきたつと思います。

 *色の組み合わせもある

 モノトーンで仕上げるのと、補色で仕上げるのと、方法があると思うのですが、モノトー
 ンで仕上げるのはなかなか難しいと思います。メインの被写体がバックに沈み込んでし
 まうようなことがあるので注意が必要です。反対色で仕上げると画面が力強くなると思
 います。全体のトーンが統一されているのは落ち着いた雰囲気で仕上がると思います。

 *イメージに合わないときは、モノクロやセピアを選んでみる手もある

 色のイメージが表現したいものと違う場合、モノクロやセピアにしてみるという手もあ
 ると思います。色彩的に、どうも駄作だな、と思ったものが、モノクロにしてみると、
 おっ、と思ったことが、僕の手元でも何回かあるので、モノクロ化もひきだしに持って
 おいて損はないでしょう。

 <不整地では三脚の安定を確認する>

 不整地、水平でない場所に三脚をたてた場合、カメラをのせる前に必ず三脚が安定して
 いるかどうか確認します。普通に立っているつもりでも、重力にたいして水平でないと
 カメラの重さで倒れてしまう、なんてことが、僕は経験があります。お気をつけくださ
 い。
 

10.Avモードを使ってみよう

 ある程度カメラをオートで扱うことに慣れたら、今度はAv(もしくはメーカーに
 よってはA)というモードを使ってみようと思います。

 この、Avというモードは、風景写真ではおそらく一番頻繁に使うモードだと思い
 ます。

 カメラを覗くと、ファインダの中に3種類数字が表示されていると思います。
 1つは、125とか250とかいう数字。これはシャッター速度(後述)です。
 1つは、F5.6とか、「F」と小数点で示された数字。これは、絞り値です。
 もう1つは、ISO100とか、「ISO」のついた数字。これは、感度(後述)です。

 写真は、この3つの数字をコントロールしながら撮るのですが、Avというモードは
 絞りを自分で決めるモードです。

 絞りとは何ぞや、と申しますと、光をとりこむ経路の大きさなのですが、複雑なこと
 はあとまわしにして、とりあえず絞りが変わるとどう写真が変わるのか、を見てもら
 いたい。

写真写真

 左の写真がF1.4。右の写真がF16。

 このように、背景のボケ具合が絞りによって変わる。この、どれだけボケるかを、カ
 メラ任せにせず自分で決めるのがAvモードだと思っていい。


 メーカーによってカメラの操作のしかたは若干違いますが、僕の手元のカメラの場合
 は、軍艦のダイヤルをAvというところに合わせて、後ろのダイヤルをぐるぐるする
 とファインダの中のF値が変わります。表示されている数字が、F値。メーカーによっ
 て若干操作が違うので操作方法はマニュアルを見てください。

 ダイヤルをぐるぐる回してみて、いちばん大きい数字は、たぶん22とか32とかだ
 と思います。これが「最小絞り」。数字がいちばん大きいのに最小です。
 いちばん小さい数字は、レンズに書かれている数字と一致するはずです。5.6とか、
 4とか、3.5とか、中には2.8とかいう人もいるかもしれません。これが「開放絞り」。

 で、F値をかえると、シャッター速度も変わると思います。F値が大きくなると、シャッ
 ター速度の数字は小さくなる、はずです。シャッター速度については後で考えるとし
 て、ここではとにかく、F値を変えると写りが変わるんだ、ということを理解したい。

 風景写真の場合、手前から奥までしっかりピントが合っている(ボケたところがない)
 状態で撮られることが多いので、F値はある程度大きい方を選ぶのが普通です。ただし、
 極端に絞り込むと画質が低下するので、大きく絞り込むときは状況をよく考えて、それ
 が必要かどうか考えてみる必要もあると思います。

 <三脚からカメラをはずすときは>

 三脚からカメラをはずすときは、先に首にストラップをかけてから、にするのが安全
 だと思います。そうすると手を滑らせてもカメラを落とすことがありません。 

11.感度について

 感度について詳しい話は後述するとして、感度とは何かというと、ぶっちゃけ「どんだ
 け暗いところでも手ぶれせずに写るか」を示したものだと、とりあえずは思ってくださ
 い。
 感度は、一般にISO、という数字であらわされます。いまどきのデジタルカメラだと
 ISO6400あたりは普通に使えると思いますが、感度が高くなればなるほどノイズが乗り
 ます。ですので、風景写真では、なるべく感度は低い方を使用した方がいい、というこ
 とになります。

 風景写真の場合、よほどの例外がなければ、カメラで選択できるいちばん低い数字、を
 使います。感度が低くなると手ぶれしやすくなりますが、そこで三脚の出番、というこ
 とになります。

 感度を下げると、シャッター速度(後述)も小さい数字になるはずです。感度を上げる
 と、シャッター速度の数字は大きくなると思います。

12.シャッター速度について

 シャッター速度は、その名のとおりシャッターの速度です。ファインダの中に250と
 か125とか表示されていると思いますが、単位は「分の1秒」。250なら1/250、
 125は1/125になります。
 (1秒以上の場合は 1”、などとと表示されると思います)
 風景写真の場合、シャッター速度を積極的にコントロールすることは、あまりないと思
 います。ですが、前述のとおり、F値を変えるとシャッター速度が変わる。ISO感度
 を変えるとシャッター速度が変わる。

 どう変わるかというと、たとえば次のように変わります

 F2.8:1/500
 F4  :1/250
 F5.6:1/125
 F8  :1/60
 F11 :1/30
 F16 :1/15

 という具合に、F値が√2倍になると、シャッター速度は1/2になります。
 これが問題なのです。

 シャッター速度が変わって、何が困るかというと、手ぶれするんです。シャッター速度
 が遅いと。

 目安として、手ぶれ補正の入っているカメラでは、レンズの焦点距離÷4くらい(焦点
 距離が24mmだったら1/6)、手ぶれ補正の入っていないカメラではレンズの焦点距
 離くらい(おなじく1/25(≒1/24) )までは手持ちで大丈夫、と言われています。
 
 要するに、これよりシャッター速度が遅くなったら、三脚が必要、ということになります。
 三脚がない場合は、F値で妥協するか、ISO感度で妥協するか、ということになるわ
 けです。

 <撮影場所に迷ったら尾瀬にいけ>

 尾瀬が撮影場所として特別に優れている、とか言い出す気はないのですが、尾瀬ならどの
 季節にいってもまず何かしら撮れる。花あり風景あり。なので、撮影場所が思い浮かばな
 い関東近県の人は、とりあえず尾瀬へいってみるのがいいと思います。

13.ホワイトバランスについて

 風景写真の場合、ホワイトバランスのオートは、「はっきりいって必要ない」です。
 90%くらいの確率で、ホワイトバランスは「太陽光」(「日中」など)にセットし
 ておけばOKです。

 人間の目にはおなじように見える光も、光源によっていろいろな色があります。白熱
 灯などはかなり赤っぽい色をしています。風景写真でいうと、あさがたの光や曇りの
 曇りの光は青っぽい色を、夕方の光は黄色というか赤っぽい色をしています。これを
 色温度(単位はK=ケルビン)といい、色温度を調整するのがホワイトバランス(W
 B)です。
 
 ホワイトバランスのオートは、これを標準的な色に補正してくれるわけなのですが、
 たとえば夕焼けの赤のドラマチックな色も、標準的な色あせた色に補正してくれるの
 です。
 朝の色や曇りの色を補正する人もいますけれど、僕は、朝は青っぽく夕方は黄色っぽ
 く写るのが自然だと思っているので、風景の場合ホワイトバランスは「太陽光」で固
 定にしてしまった方がいい結果になると思います。

 とくに、朝日夕日は、ホワイトバランスがオートだと色が抜けてしまうので、オート
 の使用は避けてあげるのが鉄則です。

 ほかの、WB曇天や、場合によってはWB白熱灯、なども活用すると表現の幅が広が
 りますが、とりあえず風景写真の場合、ホワイトバランスは太陽光にしておけばまず
 間違いがない、と考えていいのではないかと思います。


14.露出補正について

  次は、写真の明るさです。写真には明るさがありますが、撮影した写真がかならずし
 も適正な明るさとは限りません。カメラが判断した明るさがかならずしも正しいとは
 限らないのです。また、暗くした方が印象的な被写体もあれば、明るくした方が印象
 的な被写体もあります。たとえば、暗い雰囲気を出したいときは、少し暗めに仕上げ
 たほうがいいでしょう。逆に明るい感じを出したいときは少し明るめに仕上げます。

 そこで、露出補正です。

  先に、
  |F値を変えるとシャッター速度が変わる。ISO感度を変えるとシャッター速度が
 |変わる。
  |
 |どう変わるかというと、たとえば次のように変わります
  |
 |F2.8:1/500
 |F4  :1/250
 |F5.6:1/125
 |F8  :1/60
 |F11 :1/30
 |F16 :1/15
  |
 |という具合に、F値が√2倍になると、シャッター速度は1/2になります。
 |これが問題なのです。

 と書きましたが、1/500 F2.8と1/15 F16では写真は同じ明るさで写ります。
  (ちなみに、F値を変えずにシャッター速度を1/2に、例えば1/500を1/250にすると、
  「1段」明るく写ります。シャッター速度を倍にすると「1段」暗く写ります

 上述の例でいうと、
 |F2.8:1/250
 |F4  :1/125
 |F5.6:1/60
 |F8  :1/30
 |F11 :1/15
 |F16 :1/8
 の組み合わせで、上の例より1段分明るく写ります
 )
 
 露出補正の方法はカメラによって違うので、マニュアルを読んでやりかたを覚えてお
 くといいでしょう。僕のカメラは「±」ボタンを押したままダイヤルをぐるぐるする
 と露出補正ができます。

 一般に白い物はプラスに補正して、黒いものはマイナスに補正するといいます。です
 が、デジタルの場合は、とりあえず撮ってみて、ダメなら補正するというトライ&エ
 ラー方式でもいいと思います。風景の場合はあまり動く被写体はないと思うので、そ
 れで間に合ってしまう場合がほとんどです。

 もっと精密に露出を決める場合は、測光モードをスポット測光にして、マニュアルで
 露出を決める方法もありますが、そういう場合結局段階露出も併用することが多いの
 で、結局のところ一発で露出を決めるのは至難なのです。デジタルの場合は、露出に
 迷ったときは厳密に露出を決めようとせずに、アバウトなところで決めたらそこから
 段階露出してあげるのが、結局のところ適正な露出との出会いの近道だと思います。


15.段階露出を活用しよう

 デジタルの時代になって、いくらでも撮れるようになったので段階露出も財布を気にせ
 ずにできるようになりました。露出を失敗しないために段階露出を活用するといいので
 すが、露出に関して見る目を養う、という意味で僕は段階露出が有効だろうと思ってい
 ます。
 露出の違ったコマを何度も見ることで、適正な露出というものの感覚ができあがると思
 うのです。適正な露出は人によって違います。これはこうだ、と簡単には言えないので
 す。ですので、自分でいろいろ見て、いろいろやってみて、自分なりにみつけていくし
 かないと思います。

 はじめのうちは、少し幅がひろいですが、適正と、+1段、-1段で撮るようにします。
 この位幅があると、見比べてはっきり違いがわかります。その中で、いちばんいいのを
 選ぶ癖をつけているうちに、パッと見て、あ、この駒はオーバーだとかアンダーだとか
 わかるようになります。1段でわかるようになったら、±0.5段にするといい。

 それ以下の誤差に関しては、たいていの場合レタッチで救えますので、それ以下の段階
 露出は無駄と思います。


16.ラチチュードを利用して印象的な写真を

 写真というのは、明るいものと暗いものとを同時に写すことができません。明るすぎる
 ものは白飛びし、暗すぎるものは黒くつぶれてしまいます。この、再現できる幅を「ラ
 チチュード」(ラティチュード)といいます。
 ラチチュードは欠点ではなく、写真を印象的に仕上げるのに不可欠なものだと思います。
 たとえば、添付の写真のとおり、黒つぶれさせてシルエットにするという表現技法があ
 ります。盛大に白飛びした写真は感心しませんが、黒つぶれを利用して印象的な写真を
 つくりあげる手法もあると心得たいものです。


17.MFの使い方を知っておこう

 風景写真のばあい、雪面や夜中など、AFではピントの合いにくい被写体もあります。
 こういった被写体では、MFでの撮影が有効です。MFへの切り替え方や、MFでの
 ピントの合わせ方も知っておいた方がいいでしょう。

18.レンズについてもいちおう知っておこう

 風景の場合は足場が限られてズームさせ、結果的にその焦点距離を選択せざるを得な
 かった、というケースが多いと思いますが、いちおうレンズの特性についても知って
 おくといいです。

 レンズの広角側(18mm前後)はパースペクティブ(遠近感)の強調が得意です。遠く
 のものはより遠くに、近くのものはより近くに、と写りますので、これを利用して、で
 きるだけ被写体に近寄ってぐっと誇張すると迫力のある写真になる、と言われています。
 あまりボケないので、一般には絞り込んで手前から奥までしっかりピントを合わせた使
 い方をするのがセオリーとされています。

 レンズの中間域(35mm前後)は、およそ見た目どおり写る画角といわれています。安
 心して使えますが、レンズによる誇張がないのでその分腕が問われる難しい画角、と考
 えていいと思います。

 レンズの望遠側(55mm前後)は、若干望遠よりです。望遠域は近景ではボケ効果、遠
 景では圧縮効果が得られます。背景をボカしてメインの被写体をうかびあがらせるよう
 な描写が得意ということになります。要するに、この効果がもっと欲しい人は、ダブル
 ズームキットにしておくのが無難、ということになるでしょう。望遠レンズでは遠くの
 ものが大きく写りますが、遠近感の表現が苦手になります。

(2011.3.2)

 
最終更新日:2012.2.27 9:18(by script)
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